あいらぶヒグマ(羆)ちゃん♪ ヽ(^▽^ 駆除してくれと言われても・・・

住宅街のそばでヒグマが頻回に目撃された!

猟友会にも連絡が入りました。

連絡の内容はこんな感じだと思ってね 


「 当該ヒグマは前掌幅サイズから推定したところ体重300kgの成獣とみられ、近日頻回に住宅街で目撃されている個体は全て同一個体のものと考えられています。地域住民の安全確保のためにも猟友会に駆除を依頼しようという運びになりました。どうかよろしくお願いします 」


ここで書いた依頼の文面は僕が適当に書いただけの代物です。

でも実際に駆除の依頼が舞い込むときには似たような内容で頼まれるのではないだろうかと予想してみたぞ。

僕ら狩猟や猟銃などには縁もゆかりもなく暮す人間にしてみれば、猟友会に駆除依頼さえすれば当然のように彼らが出動してくれるという妄想に似た感覚があるように思えます。

かくいう僕だってそう信じ切っていました。

でもね 猟友会って任意で入る団体のはずだ。

しかも「 猟 」と言っても色々とあるわけです。



@ 鹿猟のような大型動物が相手となる猟

A カモ撃ちのような鳥を相手にする猟

B アライグマや狐、狸などの小動物を相手にする猟

C もちろんクマのような大型動物を相手にする猟だってあるさ



@〜Cの猟以外にもまだ色々とあるやもしれません。

狩猟を趣味にするといってもどのタイプを選ぶのかは個人の自由ですよね。

それにワナを使う猟がしたいのか それとも銃を使う猟がしたいのかだって全然違ってます。

加えて出猟するタイミングだって基本的には自分で決めたいはずだ。


つまり
「 猟の対象 」、「 やり方 」、「 時期 」は全部ハンターが自分で決められる状態にあるってことだよ。

これを熊の事象にあてはめて駆除依頼に否定的な形で表現すると以下のようになると思うのね。


私は小型動物専門のハンターだよ。熊が相手だとこちらの身も危険になる確率が高いから私は対象にしていないんだ。

猟をやっても普段から銃は使わずに小型の罠くらいしか使っていないんだよねぇ・・・。

人に出猟のタイミングを決められるのはマイペースが崩されてしまい無理をすることに繋がってしまう。だから依頼されたタイミングでの出猟は考えないようにしているんです。

いやぁ〜俺はもう歳をとったからな熊撃ちはとてもとても・・・・。



上記した「 御断り理由 」ってものはそのどれもが理解できる話ですよね。

猟友会の全員が熊撃ちハンターじゃないってことは良く理解してあげるべきだ。

まずはこの点
「 ハンター本人の狩猟スタイルや高齢化という課題がある 」ことを覚えておいて欲しいです d(´・ω・`)

実際ハンターライセンスを持っていてもその所持するライセンス規格はS級、A級、B級とかのランクわけがあるそうです。

ヒグマ撃ちに出向けるのはS級とA級クラスなんだってさ。

そもそもそれより下層のクラスのライセンス保持者ではヒグマ撃ちの対象者枠外です。

駆除依頼すらかけられそうにありませんよね。






次に幸運にも実際に駆除依頼をひきうけてくれる方が登場し、ヒグマ撃ちへと出かけてくれる方の応援を得られたとしましょう。

でもこういったハンターが返り撃ちにあってしまいヒグマに重傷を負わされたなんて事件も過去には沢山あるようなんですす。

エゾ鹿や鳥を撃ちに出かける御父さんを心良く送りだしてくれる家族は沢山あるのかもしれませんよね。

でも思いがけず
「 ヒグマの駆除隊 」として山へ入ることになりそうだとなったら同様の対応で家族も快く送りだしてくれるだろうか・・・。

お父さん 熊が出没している地区の人には申し訳ないけれど、依頼があっても無理して熊撃ち隊には参加しないでよ

家族の間からこんなお願いコメントが出てきたっておかしくないですよね。

2点目としては
「 家族の理解という課題がある 」ということを記憶しておいていただきたいです。




さらにですよ、近年ではヒグマを駆除依頼があったからと猟友会が登場し、殺処分対応としてみたら動物愛護団体がわいのわいのと行政に苦情電話を入れてきたりする世情の傾向も強まっています。

依頼されて出動して働いてるはずなのに
「 悪者扱い 」されてしまう・・・。

こんな作業は僕なら依頼されてもちょっと・・・・と言いたくなるなぁ・・・。

これが3点目となる
「 近年の世情にも課題がある 」ということ。




上記した@〜Bの課題のこともあり猟友会にヒグマの駆除依頼さえ行えばそれで万事のかたがつくとは限らないのです。

こういった現実を知っておいて欲しくて第25項「 駆除してくれと言われても・・・ 」を書きました。

3つの課題をすっかり片付けるというのは結構難しい状況になっていると思うんだ。

とはいえ現実的に人々の生活圏内にヒグマが進出してくれば「 駆除行為 」そのものは行わなければなりません。

「 駆除は出来ない 」という台詞と「 駆除してください 」

両者の共存できない相反する文字が戦う日も近いと感じています。

その時が来てからの話合いでは遅いのではないでしょうか?



少なくとも現実にヒグマが近所に出没しているような地域の方々は自らこの課題をみつめるべきだと考えます。

あなたはこの課題を誰に任せていますか?

行政ですか?

現状のような行政から猟友会への駆除依頼というスタイルでは先に説明したように「 駆除依頼はもうお引き受け出来ません 」と断られてしまう可能性が見えてきました。

時代は猟友会という任意団体頼みな形から


行政が自分で駆除課を新設し、出動を命じられたら断る権限が無いという自前の駆除隊を保有したうえで自らの手によって最後の殺処分までをも一環して行ってゆく。


もうそんな時代に移り変わろうとしているのかもしれません。

今後 どのようなスタイルに落ち着いてゆくのか・・・。

 ヒグマ君 空の向こうにはどんな時代が見えているんだい?

在宅ヒグマ研究家@小樽のちゃきさんもそんな時代の行く末を皆さんと一緒に見守ってゆくことといたします。



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